ケアマネジャーのWORK&LIFE

ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.6

子育て中にホームヘルパーの資格を取って福祉の世界へ飛び込み、ケアマネに

 もともと看護師になりたいという夢があったものの、両親に反対されて(今なら飛び込んでいたかもしれませんが)、一般企業に就職し、結婚しました。その後、子育て中に友人からホームヘルパーという仕事があることを聞き、資格を取ったのがこの仕事を始めたきっかけです。そして、ヘルパーとして働き始めてから、ケアプランが利用者ご本人の希望に本当にあっているのか、と疑問に思うことが重なったんです。「やっぱり利用者の希望を叶えられるのは、ケアマネジャーなのかなぁ」と思い、資格を取ろうと決意しました。また、当時勤めていた事業所に、認知症の女性の方へのヘルパー派遣の依頼がありました。その時担当だったケアマネージャーの姿勢は、私の心に深く残り、ケアマネージャーになろうと思わせてくれたきっかけになったと思います。
 そして、「人生の伴走者になりたい」「その人が願う人生を最後まで見届けたい」という思いから、2017年に独立した際、事業所の名前をライフパートナーとしました。さらに現在はケアマネに加え、認知症介護指導者としての活動も行っています。

利用者ご本人の声をしっかり聞いて、その人の可能性をしっかり知ることを意識

 ケアマネジャーとして心掛けているのは、まず利用者ご本人の声をしっかり聞き、その方のできることがまだまだある、というところをきちんと見ること。そして、利用者の方との信頼関係を築くために、その人に興味を持つことも心掛けています。そうやってその人のことをよく知ることで、どんな暮らし方を望んでいるのか、一緒に考えていけると思うからです。また、家族支援もとても大切で、家族の思いや要望、困っていることにもきちんと耳を傾け、介護している方とされる方の思いをしっかり受け止めながらケアプランに反映するようにもしています。
 ちなみに、「宅配クック123」のお弁当サービスは、以前の勤務先で利用者の方が使っていましたが、夕食も配達が可能な業者は少ないですし、配達時に安否確認もしてもらえるということで、とても心強いなと感じています。また、「1分間サービス」でお薬の確認をお願いできるのが、とくにありがたいですよね。食後に飲む分を机に置いてくれるだけで、ご家族やヘルパーがいないときなどは本当に助かると思います。

誰もが参加できる居場所を作るべく、ボランティア団体を立ち上げて運営


 以前から、農業×福祉と、共生社会を実現するために何が必要なのかをずっと考えていました。そして、引きこもりや認知症、障がいを持つ人、子どもたちが自由に集まれる居場所を作りたいという、同じ思いを持つ仲間たちと2018年6月、ボランティア団体「marugo-to(まるご~と)」を立ち上げました。義父たちの所有するビニールハウスと畑を借りて、毎週月曜日は畑で野菜を作り、檜の端材を加工して消臭ブロックを作ったり、おしゃべりしたり、ピザ窯を自分たちで組み立てて畑の野菜をトッピングしてピザを焼いたりと、自由に過ごしています。
 農業と福祉が連携できる場や機会はそう多くないですし、農家の後継者不足が深刻とはいえ、農業は奥が深く、人手が足りないからといって認知症や障害のある方に手伝ってもらえばいいというものではありません。ですが、農業をやめた方や経験者から、就農したい方や何か始めたいという方に知識や技術を提供してもらい、そのコーディネートをすることで農業と福祉を繋げられるのでは、と考えたんです。
 今は、制度の枠にはまらない生き方をしている方の居場所にもなってくれたらな、と思っています。畑仕事が得意で畝づくりのプロフェッショナルという男性は、自動車免許症を返納したので、毎週自転車で1時間半かけて通ってきています。若年性の認知症の方も、歌上手な女性が毎週歌を披露してくれますし、男性の方はとても力持ちなので色々と助かっています。また、定年を迎えた男性はなかなか居場所がないと言われますが、様々なノウハウを持っているので「marugo-to」にとってはとてもありがたい存在なんです。

新鮮でおいしい野菜やお米を存分に食べられる、その贅沢に改めて感謝


 嫁いだ家は専業農家で、現在は夫と夫の両親、長男の5人暮らしです。娘は県外で看護師として働いています。最近は「marugo-to」の活動に加え、休日は研修等への参加や、家業の農家の手伝いなど、完全なオフはあまりありません。それでも時間を見つけて娘に会いに出かけたり、先日は「全国丸太切り選手権」に長男と参加したりしています。
 やりたいことを思い切りやれていることが元気の源となっていて、ストレスもそれほど感じていませんが、あえて発散する方法をあげるなら毎日の晩酌と、気の合う仲間と一緒にお酒を飲んだり、語ったりすることでしょうか。そして、頑張っている人の姿を見て、日々パワーをもらい、自分の夢に向かって進もうというモチベーションになっています。
 家が農家なので、とれたての新鮮でおいしい野菜や、手作り味噌などの添加物を使わない食品をいつも食べているんです。それはとても幸せで贅沢なことで、そのおいしさや食の大切さを、きちんと伝えたいなと思っています。また、そうした健康的な食事をすることが、健康法の一つにもなっていると思うんです。
 以前は毎朝走っていて、それがストレス解消法にもなっていたのですが、最近はなかなか時間がないのが悩みです。それでも、時間を見つけて地元の体育館のランニングマシーンを使ったり、自宅でダンベルを使った簡単なトレーニングをしたりしています。とにかくお金をかけないというのがポイントです(笑)。

様々な方の人生に寄り添い、笑顔で幸せに過ごし、ケアマネとしても夢を叶えたい

 助けを必要としている方の人生の伴走者となり、みんなで幸せに笑顔で過ごすことが人生の目標ですが、そのためには自分が元気で笑顔でいないといけないなと思っています。また、好きなことをやらせてくれている夫や、「人生は一度きりだからやりたいことをやりなさい」と言ってくれる義母の存在は大きいですね。応援してくれる子どもたちにも感謝してますし、家族はとても大切な存在です。
 そして、「marugo-to」をもっと大きくしたいですし、私自身が元気と勇気をもらっているように、参加してくださる方にも同じように感じてもらえたら嬉しいです。
 ケアマネとしては、ケアプランに載ってる□□農園や〇〇商店、△△サロンといった「インフォーマルサービス」にも給付が出るようになり、利用者が自由に選択できて、やりたいことが出来たら素晴らしいと思っています。利用者の方にとって、例えば農園や商店が一番大切な場所ならば、それに即したサポートが必要だと思うのですが、介護保険の仕組み上難しいというのが現状です。正直、夢のようなお話ですが、いつかインフォーマルサービスもケアプランに入れてもらえるような制度になったらいいですね。

・ライフパートナーかくだ山合同会社 ライフパートナーかくだ山(独立型居宅事業所)
・ケアマネジャー
・岩崎典子
・高校卒業後、一般企業の勤務を経て、主婦として子育てをしている中で、「このままではいけないのでは」という思いからヘルパーという仕事を知り、平成8年にホームヘルパー3級の資格を取得。有償ボランティアで福祉の仕事に触れ、ホームヘルパー2級の資格も取得し、地元のJAの福祉課に所属後、ホームヘルパーとして活動をスタート。10年ほど前にケアマネジャーと認知症ケア専門士の資格を取得し、2017年に独立。現在は認知症介護指導者としても活躍中。