• 2020.6.23

ケアマネジャーのWORK&LIFE Vol.15

前編「WORK編」

異業種の営業職から転身。やりがいを感じながら仕事に励む日々

 私は奈良県出身で、地元の大学を卒業後、運送関係の仕事に就きました。26歳のときに、妻の故郷の沖縄県に移住してからも、同じ仕事を続けていたんですが、いずれかは転職しようと考えていたんです。それで、40歳のときに、妻の両親が運営していたデイサービスで、責任者が退職するから来てほしいと言われて、デイサービスの責任者として働き始めたのが、福祉の仕事を始めたきっかけ。その中で、ケアマネの仕事に興味がわいてきて、45歳のときに資格を取得してすぐ、デイサービスと同じ法人内で、居宅介護支援事業所のケアプラン天川を立ち上げました。今は、40名近くの方を担当しながら、スキルアップのために主任ケアマネの資格を取ろうと、準備をしているところです。
 ケアマネの仕事は、やはり利用者の方の生活を支援する、というところにやりがいを感じます。デイサービスでは、どうしても通っている間だけしか支援できないんですよね。なので、「それ以外の時間は範囲外だからどうしようもないけど、利用者の方には24時間生活があるのに…」という歯がゆい思いがありました。できれば、限られた時間枠ではなく、利用者の方が日常の生活を普通に送れるように支援したかったんです。また、元々営業職の仕事をしていたので、人と関わっているのが好きということもあり、ケアマネの仕事はとても自分に合っていると思います。

利用者の方とご家族との距離感を重視し、ケースバイケースで即対応

 ケアマネとして気をつけているのは、利用者ご本人やそのご家族との距離感です。一定の距離を保つのが好ましい方や、こちらにすべておまかせという方など、様々な方がいらっしゃるので、臨機応変に相手にあわせて対応しています。あと、大切にしているのは、不安にさせないということですね。介護保険はややこしいと思われていて、「介護保険料を払っているんだから、なんでもやってもらえる」といった誤解をされている方もいらっしゃるので、介護保険でできることとできないことを丁寧に説明しながら、自立を目指すプランを組むようにしており、そこが面白いところでもありますね。
 また、利用者の方は一人ひとり状態や環境も違うし、同じケースというのはほとんどないので、ケアプランはオーダーメイドで作成するべきものだと思っています。さらに、そのケアプランをただ突きつけるのではなく、ご本人やご家族の思いはもちろん、普段は関わりのないご家族や親戚の方の意見も汲みつつ、できるだけ皆さんが納得できるケアプランを作成するよう心がけています。そのためにも、どなたか一人だけに肩入れせず、近づきつつも俯瞰で全体を見るようにしているんです。
 また、利用者の方の調子が悪くなったり、環境が変わったりしたときは、できるだけ素早く重点的に関わるようにもしています。連絡があったらすぐ伺いますし、変化の兆しがあるときなどは早めに、メリハリをつけてこちらからアプローチするようにしています。

現場の課題は人手不足とナーバスさ。もっと寛容な対応が改善のカギに

 この春はコロナウイルスの影響で、施設に立ち入ることができず、利用者の方々としばらく会えていないのでとても気になっていますし、あとは認知症の利用者の方に忘れられてしまわないか、と心配しています。それと、今はどの現場でも「利用者の方にケガをさせない」という部分で、かなりナーバスになっているなと感じています。でも、高齢者の方は転んだり、バランスを崩したりしてケガをしてしまうのは、やはりしょうがないことなんですよね。でも、現場のスタッフは心の優しい方が多いので、ケガを防げなかったと責任を感じてしまったり、さらにはご家族から非難されたりして、やめてしまう方が残念ながら大勢います。
 なので、万が一の不慮のケガなどがあった場合、ご本人やご家族も寛容に、スタッフとコミュニケーションをとりながら、見てもらえるようになると、よりよい介護に繋がっていくのではないかな、と思っています。
 とくに、夜間の現場では、とにかく人手が足りていなくて、ギリギリのスタッフ数で介護をしなくてはならないところが多く、責任感がより重くのしかかっているというのが実情で、大きな課題だと感じています。

宅配弁当の手渡しや1分間サービスは、安否確認の面でも大きなメリット

 うちの事業所では、宅配弁当の業者は利用していないのですが、「宅配クック123」の名前は知っていますし、「1分間サービス」というのがあると伺って、とてもいいサービスだと思いました。自分も、独居の方のお宅に電球を変えたり、ちょっとした作業をしたりすることもあるのですが、そういった軽微な作業を代わりにしていただけると、ケアマネとしてはとても助かりますね。
 それと、お弁当を手渡ししてくれるというのも、すごく大切なことかなと。利用者の方は寂しさを感じていらっしゃる方も多いので、お弁当をただ置いていくだけでなく、直接言葉を交わしたり、たとえ1分間でも人との繋がりがあったりすれば、きっと喜ばれるはずです。
 また、お弁当を手渡することで、安否確認もしてもらえるというのも、実は重要なポイントになります。とくに独居の方に対しては、関わる人の目が多いに越したことはないですからね。やはり、独居の方が家の中で転倒して、何時間もたってから見つかった、というようなケースもあるので、異常があったときなどにすぐ報告してもらえれば、それは本当にありがたいと思います。

・居宅介護支援事業所「ケアプラン天川(あまかわ)」
・管理者
・田中 宏樹
大学卒業後、約20年間にわたって運送会社で営業職を担当。40歳のときに転職して福祉の道へ。妻の両親が経営するデイサービスで責任者として働き始め、45歳でケアマネの資格を取得し、居宅介護支援事業所の「ケアプラン天川」を立ち上げる。現在は主任ケアマネの資格を取得するための準備中。

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